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短い秋、気の早い雪

晴れの日が少ない秋がこんなに悲しいなんて、太平洋側に育ち、農業を知らずに育った僕は、そのことを痛感しました。
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田畑から得た作物は乾燥しないと取り込むことができません。
そのために、少しでも太陽が出れば、外に出し、並べて、干す。
雨がポツリとくれば、あわててしまい込む。
冬の足音を感じながら、一瞬たりとも太陽様のお顔を無駄にしない。
それが日本海側の農家の秋なんだ。
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(はさがけで天日干しするソバ)
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(大豆の脱粒作業。よく乾燥させないと莢から豆がうまく落ちない)
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(吉川の農家がつないで残してきた青大豆「きなこまめ」。きれいなヒスイ色で味がいい。我が家では豆もちに搗きこんでいる)

雨続きの秋が過ぎ、11月16日突然雪が降った。
この村に住むようになって、もっともはやい雪だ。
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この日は集落のお宮さんで祭りがあった。
お宮さんの台座を、みんなで貯めてきたお金で直した、その完成を祝う祭。
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宮司さんに来てもらって、雪の中、執り行われた。
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集会所で宮司さんの神楽。そして宴会へ。

本格的な雪が降ったのは11月19日。
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この日は道普請。道路や側溝の落ち葉をかたずける共同作業だったが、もかもかと積もる雪で途中で断念。
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除雪車が始動。あっとうまに30cm積もってしまった。
畑にはまだ大根や白菜が残っている。あわててしまった農業機械は、整備がまだ。
雪が消えてくれたら、冬支度の続きをしないと。
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こんなときは外の仕事はあきらめて、お風呂で豆の脱粒。
風呂桶の内側にたたきつけると、豆が浴槽に落ちてたまる。
掃除も楽だ。ほぼ半日かけて5aぶんの青大豆を落とした。
窓の外では、雪が降り続いていた。
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2017-11-23 07:15 : 野良しごと : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

のら紡ぎ唄 Vol.14

 今年もやっと新米をいただくことができました。
 体のあちこちがきしんでいます。張りつめていた糸が切れると疲れがどっと出ます。でも積みあがったお米を何度も眺め、「これで食べていけるのだ」と思うと心が軽くなります。秋は一年でいちばんうれしい時です。
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 ただ例年と違うのは収穫がびっくりするくらい少ないこと。
 原因の一つは天候不順にあります。稲が花を咲かせる時期に長雨となり、その後も日照不足と低温が続いたせいです。
 他にも原因はあります。農薬を減らしてきたために、虫にやられ、草がはびこり、茎の数が増えないのです。
 自然のもとで育てる農業はとても不安定です。人はその不安定さを克服するために農薬や化学肥料を生み出してきました。その恩恵の大きさを、年々痛感しています。もっと農薬を使いたい。化学肥料を使いたい。正直にいえば、そういう気持ちになることは少なくないのです。
 ただですら山から湧き出る水の水温は低く、高温を好む稲の収量は少ないのが山の農業の宿命です。そして減農薬、無農薬有機肥料とこだわるほどに収量は減り、平野部の慣行農業の半分のお米しかとれていないのが、我が家の現実です。
 どうして農薬や化学肥料に頼らない農業なんてやり始めたのか、時々自問自答を繰り返しています。
 
炎天下、田んぼに這いつくばって草を取りながら痛くなった腰を伸ばす。その時に田んぼに吹き渡る風や、注ぐ太陽の光、鳥や虫の声、森の木々の葉を感じる時、不思議と元気が出ます。がんばらなきゃと思うのです。再び田の水に目を移すと、ゲンゴロウなどの水生昆虫がのびのびと泳ぐ様は和みます。害虫を食べてくれるクモを見つけると応援します。そしていつもホタルや赤トンボのことが気にかかります。
 僕たちが田んぼに使う山水は、家で使う生活用水でもあります。稲も自分も同じ水を体に通して暮らしています。そして下流に流します。この水も汚したくないという意識は自然に生まれました。
 暮らしていくためにはお金が必要で、そのためにはもっと儲かる農業の方法はあるのかもしれません。
 だけれど僕たちは今のやり方を続けたいと思っています。
 僕たちは自然の中に生きているのはもちろんですが、自然で育った作物や自然の力で発酵した食品を食べることで体の中に自然を取り込んで生きています。
 外の自然を汚すことは、体の中の自然を汚すことでもあると思うのです。
 
 たまちゃんのおなかの中に新しい命が宿りました。
 出会える日を想像すると、疲れなんてふっとびます。もっともっとがんばろうと思います。
 勝手なことを申します。いつまでも下手くそな僕たちの農業ですが、どうかこれからも応援してください。

 2017年10月
2017-11-03 05:39 : のら紡ぎ唄(農園通信) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

鴫谷幸彦

Author:鴫谷幸彦
青年海外協力隊、農業系出版社など経て、新潟県上越市吉川区の山村に移住。2年間の研修ののち2014年春に就農しました。

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