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野に出よう、共にうたいながら


2月12日、よく晴れた朝、次女が産まれました。
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病院まで1時間かかる我が家。長女のときは病院に着くまでに産まれそうだったこともあり、今回は大事をとって予定日2週前から、病院の近くに住む妻の両親のところへ、母子を預けていました。
「陣痛来たかも」と早朝にメールをもらい、ツルツルに凍る山道を慎重に降り、病院に駆けつけたときにはすでに産まれていました。
元気な女の子。
また新しい命を抱くことができました。
悪阻にさんざん苦しめられた妻にお疲れ様。
長女のとき以上に展開の早いスピード出産に、適格に対応してくれた義父母に感謝です。
そして助産師さんは、「こういう緊急出産、アドレナリン出て、私結構好きです」といって、医者先生が来る前に一人で取り上げてくれました。
新しい命の誕生に出会うと、感謝の気持ちがこれでもかと溢れてくるものです。
神様ありがとう。家族にありがとう。世界にありがとう。空に、風に、太陽にありがとう。
産まれてきてくれて、ありがとう。

産まれてくるまで性別を確認しない我が家は、産まれてきた子を見てから、名前を考えます。
今回も出生から2週間ギリギリまでひっぱって名前を決めました。
「野詩」(のうた)。
新しい家族の名前です。

僕達が住む石谷という山間の集落、自然豊かな川谷という村。
50人足らずの村人が心を寄せ合い、力を合わせて暮らしています。
いつも笑いを忘れずに、希望を持ち続ける、小さなこの村は、僕達の誇りです。
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長女は田畑へ、山へ、どこへでも歩いて行き、太陽の光を浴びながら育っています。
そんなお姉ちゃんに手を引かれ、歩く次女の姿を思い描き、名付けました。
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野に出よう。自然は詩で溢れている。
いつも唄おう。
4人手を取り合って、寄り道しながら、唄いながら、一緒に歩いて行こうね。
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野詩、産まれてきてくれて本当にありがとう。
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2020-02-27 06:37 : 子育て : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

収獲の秋、食の劣化に思考巡らせつつ

優しい光と風。この数日、急に秋めいてきた。
朝晩は長そでを一枚羽織らないと寒いほど。あの暑さはなんだったのかと思い返すと同時に、ああ、ここは雪国の山間地だったと思い出され、急に秋じまいバージョンへと心がスイッチする。
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たましぎ農園の稲刈りが始まった。
6年目の米づくりは、これまた今年だけの、今年しか味わえない米づくりだ。
6月中旬に妻の妊娠が発覚。
長女のときには軽かった悪阻が、今回はひどく、妻を苦しめた。
しかも長い。長い長い苦しみの末、最近ようやく落ち着く日があり、ほっとしている。
おめでたい話なのだが、農業は大変だった。
一人目の時と違い、長女の世話というミッションが加わり、僕はなかなか農業に集中できなかった。
おはようからおやすみまで、時に背負い、時に叱り、時にケンカし、時に遊び、そして疲れて二人で眠る。
貴重な経験を通しわかったことは一つ。
母業のなんと大変で尊いことかということ。
ありがとう母ちゃん。

子守を忙しさの理由にして、農作物への管理が滞ってしまったこと。
お客様への対応がおろそかになったこと。
(とくに夏の通信を出せなかったことは本当に申し訳ありませんでした)
反省ばかり。

家族が増えるかもしれないという、掛け替えのない幸福感がなかったら、がんばることはできない。
父ちゃんは頑張らないといけない。
家族のために頑張る時だ。

稲刈りシーズンになると、この村は活気づく。
夫婦げんかも頻発する。子や孫が手伝いに顔を出す。
天気で左右される稲刈り。近年の異常気象は父ちゃん母ちゃんの機嫌に大きく影響を及ぼす。
それぞれの田んぼに向かっているようで、村全体がこの季節に全力で取り組んでいるような、そんな季節だ。

コンバインという便利な収獲機械が登場して久しい。
平野部では戦車のように巨大なコンバインが轟音を鳴らし、大量の稲穂を飲み込んでいく。
ここ山間部では、20年前の機械が活躍するのにちょうどいい。
小さくても応用のきく、小さな機械は、農家の手の延長だ。
刈りそびれた1株の稲穂を、機械の後ろから母ちゃんが手刈りする。
時に父ちゃんが機械を降りて、手刈りする。
それを機械に入れる時の丁寧な仕草。
一粒も無駄にしまいという心が生み出す農家の所作は本当に美しいなと思う。

そして最近強く感じる「食の劣化」へと、農家になりきれていない僕は連想をする。
「無限ピーマン」とやらが話題だとか。
ピーマンをおいしくいくらでも食べられる簡単レシピだ。
試してみた。
一口食べて味の濃さに驚く。
胸がむかついてしまった。
「もう作らなくていいね」と妻。

先日、コロッケをいただいた。
形状や食感から既製品でないことは容易に想像できたが、手造りであるはずのそのコロッケにも、味の濃さと胸やけを誘発するような特有の風味が含まれていた。
家庭でつくる料理にまで、知らず知らずのうちに入り込んでしまった、この特有の風味にショックを受けた。
我が家の料理はけっして華やかではない。
畑でとれた野菜ばかり。味付けは薄くてシンプル。
田んぼでとれたお米で炊き立てのご飯。
味噌は自分たちの大豆で仕込んだ川谷みそ。
お米と味噌は貯蔵できるし、野菜は家のすぐ裏からとれる。
なにか災害があって、この山村が孤立しても、たぶん半年以上生きる自信がある。
自信じゃない、安心だな。
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日本の食料自給率が低いということは多くの国民が知るところだ。
しかしどうして食料自給率が低いことが問題なのだろうか。
ぜひぜひ考えてほしい。
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自由貿易がよいことのように声高に推進される現在において、食料自給率の必要性自体が問われています。

僕の話はもう少し先にします。
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収穫の秋、ひとりひとりが自分で考えてほしいなと思います。
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あ、我が家のオンドリが鳴きました。朝ですね。
今日も農作業がんばろっと!
2019-09-14 05:22 : 野良しごと : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

季節の便り 2019年8月

収穫の秋へ

太陽+育児
 目が回るように忙しく、そして暑い暑い夏が終わりました。
 気がつけば、朝日が昇る時間はずいぶん遅くなり、夜の合唱会もカエルから秋の虫へと主役が変わりました。
 仕事と家事の境目がぼんやりしている農家にとって、暮らし全体のリズムは太陽と同じです。加えて育児のリズム。太陽+育児のハイブリッドなリズムの間奏に農業が入り込むような暮らし。
 これがなかなか、不協和音で、まだまだまとまりのない我が家です。
 それでもなんとかしずつ、秋の収穫、冬じまいへと向かい転がっていく、そんな日々です。
 
お盆のイベント、運動会
 川谷地区には夏にお盆のイベントと運動会があります。
 高齢化と過疎化が進む当地には現在20軒程度。僕がここで暮らすようになってから5軒以上減りました。
 新しい移住者を呼び込もうと始めた行事や、昔からの行事は、年々参加者が減ってきました。今年はとくに少なかったように気がします。
 それでも村のみんなが顔を合わせ、肩肘張らずに楽しい時間を過ごすことは、とても意義のあることだと感じています。少ないながら、小さいながら、じょんのび(ゆったり)した気分になれることは明日からの野良仕事の活力になります。そして新しい仲間である娘。その娘にとっても「あなたが暮らしている世界」の豊かさ、人情の深さ、心のよりどころを感じてもらう貴重な機会です。
 忙しくて、忙しくて、自分のことだけを考えたくなることもありますが、どうやったって不便なこの村で暮らすためには、力を合わせて生きていく以外ないということを強く感じています。少ないながら、小さいながら、幸せを感じられる村づくりを真ん中においていきたいのです。

平成30年産米定期予約、終了です
さて今月の定期便を持ちまして、定期予約のお客様へのお届けしてきた30年産米も終了となりました。1年間本当にありがとうございました。悪天候で収量が半減した昨年。定期予約のお客様に助けられて、毎月生活することができました。妻も私も感謝の気持ちです。娘が健やかに育つことができているのも、皆さんとつながってきたおかげだと思います。
新米のご案内が遅れており申し訳ありません。月内には通信をお届けできる予定です。引き続き新しい1年もお付き合いくださいますようお願い申し上げます。                   (幸彦)
2019-09-03 00:47 : 季節の便り(荷物に入れる手紙) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

季節の便り 2019年7月

晴耕雨漬

いい塩梅の梅雨
 昨年は空梅雨で日照りの夏でした。おかげで田んぼは大きくヒビが入るほど乾き、水が必要な出穂期に水がなく、秋の収穫は例年の半分にとどまる被害でした。
 今年の梅雨は、いい塩梅です。大雨が続いている地域のある中で、上越市はわりと安定しています。1~2日雨が降ると2日曇りや晴れ。田んぼを乾かしすぎず、土を軟らかくし過ぎず、ほとんど天水まかせでちょうどいい水分を維持しています。まさにいい塩梅。
 こんな年があってもいいかなと思います。
 とはいえ、年々増える田んぼです。草刈りや野菜の管理に追われ追われる日々。そろそろ梅雨明けの報せが聞こえてきそうですね。今度は暑い日々が待っています。収穫までもうひと頑張り!
 
十全ナスの漬けしごと
 十全ナスが取れ始めました。
 曇りの日が多いと、ちっとも実が太らないナス。
 獣害対策が後手になり、タヌキやアナグマに食べられ、実を引きちぎる時に枝を折られ、修復するのに時間がかかってしまいました。
 その後、電気柵をはり、丁寧に樹をおこし、誘引して支え、根元の草取りをし、下の葉を取り除き、手を加えるほどに応えるかのように、ナスの樹は元気を取り戻していきました。
 これこれ、これぞ野菜づくりの醍醐味。
 米づくりもそうですが、結局、農業は手間です。手間を惜しまず手をかけ続ければ応えてくれます。
 とれたナスは早速、加工所で浅漬けや粕漬けに漬け込まれていきます。とくに浅漬けは今だけの旬の味。薄皮なのに実がしっかりしている十全ナスが、もっともその持ち味を発揮できる漬け物だと思っています。自然の甘みと、みずみずしさを、どうぞお試しください。

コムギ、トウモロコシ
今年はコムギの収穫がうまくいきました。10aで100㎏程度ですが、いい粒になりました。これからもう少し乾燥したら、いよいよ粉にします。コムギの活用、大麦やもち麦の栽培、夢が広がります。
我が家の主力野菜のもう一つがトウモロコシ。お盆時期をねらってぐんぐんと生長していますよ。こちらもタヌキやハクビシンに狙われましたが、ネットと電気柵のダブルガードで被害を抑えています。梅雨明けで天気がよくなれば、きっと甘味もしっかりのることでしょう。あともう少し、お楽しみに。                  (幸彦)
2019-07-25 00:44 : 季節の便り(荷物に入れる手紙) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

願いは一つ

選挙のたびに同じことを書いてきた気がします。
願いは一つです。
ぜひぜひ投票しにでかけてください。
どこの党にとか、誰にとか、いいません。
投票したい人が誰もいないのなら、堂々と白票を。
この国の民主主義は半人前です。
なぜなら半分の国民が投票していないからです。
僕は常々、多様な意見が集まり、議論しつくさないと答えが出ない、面倒くさい議会こそ民主主義の本来の姿だと思ってきました。ねじれ上等。

それぞれの意見を主張し合うより、意見をぶつけ合ううちに生まれる新しい考えこそ尊い。
選挙の勝ち負けで、支持者の明暗が分かれるようなことでは、それは民主主義でもなんでもなく、単なる勝者のやりたい放題。
なるべく多くの意見が国会に集まり、なるべく多くの価値観に配慮しないといけない議会。
面倒くさいけれど、それが議員の仕事でしょ。

国会議員たるもの、国民をコントロールしてはいけない。
利権やしめつけをちらつかせながらコントロールする手法は下劣極まりないな。
本来なら、国民が国会議員をコントロールするもの。
できますよ。
投票に行けば。
50%の投票に行かない人が動けば、それはそれは毎回当選のあの議員もビビります。
投票率が低ければたくさん議席取り放題だったあの党だってビビります。
議会にいろんな党が存在できるか否かは、すべて私たち次第。
存在させましょうよ。いろんな党を。

そして議員には危機感と使命感を抱いてもらいましょうよ。

有権者をなめるなよ。

投票に行こう。

興味のある方はこちらもぜひ。
投票に関する強い思いをつづった過去のブログです↓
選挙に行こう
2019-07-20 23:08 : モノモウス : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

鴫谷幸彦

Author:鴫谷幸彦
青年海外協力隊、農業系出版社など経て、新潟県上越市吉川区の山村に移住。2年間の研修ののち2014年春に就農しました。

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